
「入金が予定より遅れている」
「支払いの期日が迫っているのに、現金が足りない」
資金繰りの現場では、こうした“タイムラグの危機”が日常的に起こります。
売上はあるのに資金が足りない――。
多くの中小企業経営者が一度は直面するこの状況。
本記事では、支払いに間に合わないときに社長が取るべき3つの行動を、実務的な視点から整理します。
1. 現状を「数字で見える化」する(資金繰り表の更新)
まず最初にやるべきことは、現状を正確に把握することです。
焦りから「なんとかなる」と感覚で動くと、状況は悪化します。
支払いに間に合わないときほど、冷静に以下の項目を整理しましょう。
- 今週・来週の入金予定と支払予定
- 手元現金(預金残高・小口現金)
- 確実に入る売掛金、入金予定が不確定な取引先
- 支払い期日が確定している支出(給与・税金・リースなど)
ポイントは、“期日順”に並べることです。
資金繰り表を1週間単位で更新し、「今どのタイミングで資金が尽きるのか」を具体的に可視化する。
この作業だけで、焦りが冷静さに変わります。
数字で全体像を把握すると、「どこで資金を作ればよいか」「どの支払いを調整すべきか」が明確になります。
2. 支払先と“早めに”相談する
次に取るべき行動は、支払い先との交渉です。
「遅れそうだから黙っておこう」
「入金が来たらすぐ払おう」
――こうした対応は、かえって信頼を失う結果になります。
支払遅延の情報は、早ければ早いほど相手も調整ができます。
遅れてから連絡するより、前もって誠実に説明することが大切です。
交渉のコツは3つ。
- 具体的な入金予定日を提示する
「いつ払えるか」を曖昧にしないこと。日付を明言することで誠実さが伝わります。 - 分割・一部入金の提案をする
「今週○万円、翌週残り○万円」など、実行可能なプランで誠意を示す。 - 支払い順の優先度を考える
信用に関わる支払い(給与・税金・社会保険料)は最優先。
取引条件の柔軟な先や継続性の低い支出は後回しも検討します。
誠実な連絡を入れておけば、相手の信頼は保たれます。
逆に、沈黙して遅延すると「信用リスク」として長く残ります。
3. 売掛金を“資金化”して時間をつくる(ファクタリング活用)
入金が遅れ、支払いが迫る――。
その時間差を埋める現実的な手段が、**ファクタリング(売掛金の早期資金化)**です。
ファクタリングとは、取引先からの入金を待たずに、
請求書(売掛金)を専門業者が買い取り、即日または数日で現金化できる仕組みです。
たとえば、
- 工事完了後の入金が2か月先
- 取引先の支払いサイトが長く、運転資金が足りない
といったケースでも、請求書が発行されていれば資金化が可能です。
銀行融資のように「審査に数週間」「保証人が必要」といった条件もなく、
あくまで“売掛金”をもとにした短期の資金調達として利用できます。
ファクタリングを使うことで、「時間」を買うことができる。
それが経営を立て直すための猶予を生み、冷静に次の一手を打つ余裕につながります。
まとめ:動くのが早い社長ほど、資金を守れる
入金の遅れは、どんな企業にも起こり得ます。
問題は、遅れたことではなく、遅れに気づいてからの動きの早さです。
資金繰りが苦しくなってからではなく、
「このままだと支払いに間に合わないかもしれない」と感じた時点で動く。
- 現状を数字で把握し
- 支払先に早めに相談し
- 売掛金を資金化して時間をつくる
この3つを実行することで、会社の信頼と資金の両方を守ることができます。
ノースファクタリングでは、北海道内企業を中心に、
こうした「一時的な資金繰りのズレ」をサポートしています。
入金遅延・支払い集中・黒字倒産リスク――どんな状況でも、まずはご相談ください。
経営を止めないための一手を、一緒に考えます。
