
はじめに
「売上が伸びているのに、なぜか資金繰りが苦しい」
そんな悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。原因の多くは、“売上”に注目しすぎて“回収”をおろそかにしていることにあります。
資金繰りがうまい経営者ほど、売上の数字よりも 「いつ現金が入るか」 を見ています。本記事では、なぜ“回収”が資金繰りにおいて最重要なのかを解説します。
売上と資金繰りは別物
決算書の「売上高」は会社の成長を示す重要な数字です。しかし、売上が計上されても、入金がなければ手元に現金は増えません。
- 売上計上=商品やサービスを提供した時点
- 回収=請求書を発行し、入金があった時点
このタイムラグが長いほど、会社は資金繰りに苦しむことになります。特に 入金サイトが長い業種(建設業・卸売業など) では、黒字決算でも資金ショートに陥るケースが珍しくありません。
黒字倒産は「回収軽視」から起こる
黒字倒産とは、会計上は利益が出ているのに、現金不足で倒産してしまうことを指します。多くの場合、売掛金の回収が遅れ、支払いに間に合わなくなるのが原因です。
例えば――
- 売上は伸びているが、入金は3ヶ月後
- その間に人件費や仕入代金の支払いが集中
- 手元資金が尽きて、倒産に至る
こうした事態は「売上」だけを見ていると気づけません。“現金がいつ入るか”を常に把握することこそが、経営の安定につながります。
資金繰りがうまい経営者の視点
① 売上より「回収サイト」を重視する
売上が伸びても、回収が遅ければ資金は不足します。優れた経営者は「売上高」より「回収までの日数」に注目し、入金までの資金をどうつなぐかを常に考えています。
② 取引条件の交渉を行う
- 仕入先には「支払いを月末締め翌々月払い」に
- 得意先には「請求を月末締め翌月払い」に
このように、支払いを遅らせ、回収を早める 工夫をしています。条件交渉も資金繰り改善の重要な手段です。
③ 資金繰り表で“未来”を読む
売上・回収・支払いの予定を一覧化した資金繰り表をつくり、1ヶ月先、3ヶ月先のキャッシュを見える化します。資金ショートの兆しを事前に把握し、対策を打てるのです。
回収を早めるための実務的な方法
- 請求書をすぐに発行する
商品を納品したら、即日請求書を送付。1日の遅れが資金繰りに響きます。 - 取引先の信用を確認する
入金遅延が多い取引先とは、支払い条件を見直すことも必要です。 - 分割請求・出来高払いを導入する
建設業など長期案件では、完成後一括請求ではなく、進捗に応じて分割請求を行う。 - ファクタリングを活用する
売掛金の入金を待たずに現金化できるため、資金の“回収スピード”を飛躍的に上げられます。
まとめ
資金繰りの巧拙は「売上をどれだけ伸ばすか」ではなく、「売掛金をどれだけ早く現金化できるか」にかかっています。
- 売上=会計上の数字
- 回収=会社を動かす“現金”
この違いを理解し、“回収”を常に意識することが、経営者の資金繰りセンスを磨く第一歩です。
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