資金繰りに困ったときに「やってはいけないこと」5選

──北海道の中小企業に多い失敗事例と回避策──

資金繰りは、利益よりも経営を左右する重要な要素です。
帝国データバンクの調査によれば、「黒字倒産」の主因の多くは資金繰りの失敗です。特に北海道では、建設業や農業・観光業といった入金までのタイムラグが大きい産業が多く、資金ショートに陥るリスクが高い地域性があります。

ここでは「資金繰りに困ったときにやってはいけない行動」と、実際にあった事例を踏まえた注意点を紹介します。


1. 支払いを先延ばしにする

原因

資金不足の初期に多いのが「今月だけは待ってもらおう」という判断。短期的にはしのげても、信用低下のリスクは計り知れません。

結果

  • 協力会社からの信頼喪失
  • 仕入先の取引条件が悪化(前払い要求など)
  • 最終的には仕事そのものを失う可能性

事例

公共工事の入金が3か月先になるのを理由に下請けへの支払いを遅らせたところ、翌期の案件で協力業者が離反。人材と資材の調達ができず、受注機会を逃す建設会社も。


2. 高金利の借入に頼る

原因

「明日までに資金が必要」という切迫感から、消費者金融やビジネスローンに走るケース。

結果

  • 年利15%前後の高金利が資金を圧迫
  • 返済が返済を呼ぶ「自転車操業」化
  • 銀行融資の審査で不利に

事例

ある小売業では、繁忙期の仕入れ資金を高金利ローンで賄った結果、利益の20%以上が返済に消える事態に。翌期には返済負担が重くのしかかり、正常な経営が困難に。


3. 粉飾決算で融資を得ようとする

原因

「実績さえ良く見せれば銀行は貸してくれる」と考え、売上や在庫を水増しする経営者もいます。

結果

  • 銀行からの信用を完全に失う
  • 粉飾発覚で取引停止、最悪は法的責任
  • 一度失った信用は取り戻せない

事例

食品加工業を営む企業が、売掛金を実際より多く計上し銀行融資を受けましたが、後に不自然な数字が発覚し取引停止に。資金調達ルートを失い、数か月後に破産に。


4. 在庫・設備投資を抱えすぎる

原因

「今のうちに仕入れれば安い」「設備投資で効率化できる」と考えて、資金繰り悪化時にも投資を優先してしまう。

結果

  • 在庫が資金を固定化し、キャッシュ不足に
  • 設備投資の回収が遅れ、返済負担だけ残る
  • 資金が「動かないお金」として眠ってしまう

事例

農産品の小売業者が収穫期に過剰仕入れを行った結果、販売が追いつかず在庫過多に。腐敗ロスも発生し、キャッシュフローが悪化して仕入先への支払いに支障をきたしました。


5. 資金繰り管理を怠り、問題を先送りする

原因

「来月には入金があるから大丈夫」と根拠なく楽観視し、資金繰り表を作らない。

結果

  • 消費税や社会保険料など「定期的な支払い」で資金ショート
  • 予測不能な出費に対応できない
  • 経営が行き当たりばったりになる

事例

観光関連企業では、夏の繁忙期の売上に依存し、冬場の資金繰り対策を怠った結果、年末の社会保険料納付時に現金が不足。急場をしのぐために高金利ローンを利用し、翌年度以降の資金繰りも悪化したケースも。


まとめ

資金繰りに困ったときほど「間違った行動」に走りやすいものです。しかし、支払いの遅延や高金利借入は、短期的にしのげても中長期的に経営を追い詰めます。

大切なのは、資金繰りの見える化と、信用を守ること。
そのうえで、ファクタリングのように「すでに発生している売掛金を活用して現金化する」方法は、信用を損なわずスピーディーに資金を確保できる手段です。

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