黒字でも潰れる?資金繰りの“構造ミス”にご用心

「売上もある、利益も出ている。それなのに、なぜ資金が足りないのか…?」

これは実際によくある悩みです。そして最悪の場合、「黒字倒産」という形で会社が潰れてしまうことも。

この原因は、**資金繰りの“構造ミス”**にあります。

とくに注意すべきなのが、納税のタイミング。毎月順調でも、法人税や消費税の納付月に一気に資金がショートするケースが後を絶ちません。

今回は、黒字でも危険な資金繰りの落とし穴と、見落とされがちな納税リスクについて解説します。


「黒字=お金が残っている」というのは、大きな誤解です。

会計上の“利益”は、売掛金や未回収分も含めた数字
一方、資金繰りで必要なのは、実際に手元にある現金です。

たとえば:

  • 売上1,000万円
  • 経費800万円
  • 利益200万円

でも、売上1,000万円がまだ回収できていなければ、現金はゼロ。
経費800万円の支払いだけが先に発生し、資金が足りなくなります。


法人税や消費税は、利益が出ていれば問答無用で課税されます

  • 法人税:事業年度終了後、2~3カ月で納付
  • 消費税:2年前の売上が1,000万円超なら課税事業者に(免税明けで要注意)
  • 中間納税や予定納税:利益が出るほど前払いが発生

そのため、資金繰り表を作っていないとこうなります:

「黒字だし、まぁ大丈夫だろう」と思っていた

決算後にドカンと法人税がくる

「今月の支払いに回すはずだった資金が消える」

資金ショート

さらに消費税は、預かっていたつもりの現金を使い込んでしまっていることも多く、納税時にパニックになる要因です。


  1. 支払いが先、入金が後
    • 外注費・仕入れ・人件費などが先行し、売上は月末〆翌月末入金
  2. 売上が上がるほど苦しくなる
    • 利益が残らない、税金だけ重くなる「忙しいのに現金がない」構造
  3. 固定費が増えたまま見直されていない
    • 広告費、家賃、スタッフなど、売上減少に対応できない
  4. 納税額を予測せずに“今あるお金”を使い切っている
    • 特に年1回の納税型法人で多発

黒字でも潰れないためには、「利益」よりも「現金」の管理が最優先です。

  • ✅ 月次で資金繰り表をつくる(入金・支払・納税の見通し)
  • ✅ 決算前から納税額を試算して“残す金額”を確保
  • ✅ 売掛金サイトを短くする、ファクタリングで資金化する
  • ✅ 「税理士任せ」から「経営者も数字を把握」へ

黒字でも倒産する会社には、共通点があります。
それは、「現金の流れ」を軽視し、「納税タイミング」の資金需要を見落としていること。

特に、消費税の免税明けや、利益が出ている年の法人税は、**後からやってくる“大きな一撃”**になりかねません。

資金繰りが構造的に不安定なままでは、どれだけ売上があっても安心はできません。

ノースファクタリングでは、資金繰りの改善や「借りない資金調達」についての相談も承っています。
「このままで本当に大丈夫?」と不安を感じたら、ぜひ一度ご相談ください。