
■ はじめに
創業間もない経営者の多くが直面するのが、「資金は必要だけど、信用がないから借りられない」という悩みです。創業当初は、設備投資や人件費、広告費など初期費用がかさむ一方で、売上が安定していない状態が続きがちです。
さらに、創業者自身も経営や資金繰りの経験が浅いケースが多く、想定よりも早く資金が尽きてしまうというケースも少なくありません。
今回は、設立1年未満や開業して間もない事業者が、信用情報に乏しい中でどのように資金を確保できるのか、その選択肢や考え方について解説します。
■ 銀行融資が難しい理由
創業直後の企業に対して、銀行は慎重な姿勢を取ることがほとんどです。主な理由としては以下の通りです:
- 決算書がない、または1期しかない
- 信用情報の蓄積がない
- 返済能力の裏付けが不透明
- 設備投資計画の妥当性が判断しづらい
特に都市銀行や地方銀行は、担保や保証人を求めるケースも多く、実績のない企業にとってはハードルが高いのが実情です。
また、申請書類が多く、審査に1カ月以上かかることも珍しくありません。その間に資金ショートしてしまうリスクもあるため、迅速な資金調達を求める創業者にとっては現実的ではない場合もあります。
■ ではどうすれば?
▼ ファクタリングの活用
売掛金があれば、それを現金化することで運転資金に充てることができます。 しかも、**審査は「売掛先の信用力」**が中心となるため、創業者自身の信用力に依存しません。
たとえば、創業3カ月目の飲食店オーナーが、法人向けのケータリング契約を複数獲得し、請求書を発行していたケースでは、その売掛金をファクタリングで現金化することで仕入れ資金を確保し、安定した供給体制を維持できたという事例もあります。
創業初期であっても、一定の取引実績があれば十分利用可能な手段です。
▼ その他の選択肢
- 日本政策金融公庫の創業融資:無担保・無保証の制度あり。書類準備と面談対策が重要。
- 地方自治体の創業支援制度:助成金・補助金など、自治体によって条件が異なる。早めの確認がカギ。
- クラウドファンディング(支援型・投資型):事業内容に共感を得られる場合に有効。
- 士業や支援機関の無料相談を活用:商工会議所・中小企業支援センターなど、創業支援のプロを活用。
■ よくある失敗例と対策
創業初期の資金調達でよくある失敗は、「見込み売上」に頼って先行投資をしすぎることです。
例えば、「これから売上が伸びるはず」と広告費や人件費を先にかけすぎてしまい、回収サイトが長引いた結果、キャッシュが回らなくなるという事態。
こうしたリスクを防ぐには、以下の工夫が有効です:
- 回収サイトの短縮交渉(もしくはファクタリングによる資金化)
- 固定費より変動費に重点を置く資金配分
- 万一の資金ショート時の選択肢を事前に用意しておく
■ 心構えとして大切なこと
- 資金調達=借金という固定概念にとらわれない
- 売上の中にあるキャッシュフローを活用する視点を持つ
- 「資金がないから動けない」ではなく、「どう確保すれば動けるか」で考える
- 想定外の事態に備え、資金余力を常に確保しておく意識が重要
■ まとめ
信用力がゼロでも、選択肢はゼロではありません。 創業初期だからこそ、柔軟でスピード感のある資金調達方法を活用し、事業を軌道に乗せていきましょう。
ファクタリングは、その一歩を後押しする手段のひとつです。ノースファクタリングでは、創業間もない方のご相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。